40歳、ついに公式戦の先発マウンドに立つ。
お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記〈20〉
トライアウトから9カ月、愛媛マンダリンパイレーツのサブロク杉浦に訪れた最高の一日。生まれた責任感。
監督を男にしたい、という思い
前期日程に優勝したことで、優勝決定シリーズへの出場が決まり、頭のなかに「もしかすると」という思いがあったのかもしれないし、それくらい望んでいたのかもしれない。
びっくりはしたけれど、ものすごく嬉しかった。
「ありがとうございます!!!」
そう答えると「その一試合、思う存分にやってこい」というありがたい言葉までもらった。
その日はウキウキしていた。でも、時間が経って「嬉しい」だけじゃない、責任みたいなものが生まれてきた。
冷静に考えれば監督としても、とても重大な決断だ。監督は、勝ち負けの責任を一切負う存在である。もちろん、選手もそうだけど、監督へのプレッシャーはその比ではないことが多いだろう。
結果を残しているとはいいがたい僕を先発させて、もし無様なピッチングをしてしまったら? 負けてしまったら?
投げた僕だけではなく、それを決めた監督まで非難をされてしまう可能性があるのだ。
そう思ったら、がぜん「監督を男にしたい」「後悔させないピッチングをしたい」という思いが湧いてきた。
嬉しさとかいう、個人的な感情だけじゃない、戦う責任みたいなもので、連帯感に近いかもしれない。
加えて、チームの思いも感じた。
予告先発としてこれだけ早いタイミングで発表をしたということは、球場に多くの人に足を運んでほしいという思いもあるはずだ。40歳のおじさんのピッチングを見に来てくれる人がいるのかどうか分からないけれど、でも僕のチームへの貢献というのはそういうところにもあるのは自覚している。
これを読んでいるみなさんが興味を持って、行ってみようかなと思ってくれたら嬉しい。
個人的にはなにより相方のやまうっちゃんに観てほしいと思う。前回来てくれた時は、投げることができなかったから。
あのときは中継ぎだったから、投げるかどうか展開次第のところがあったけれど、今回は先発だから必ず一球は観てもらえるはず(笑)。
40歳、中年芸人だけれど、野球選手として何か感じることのできるマウンドにしたい。
後期日程に向けて、日々同じように努力していきたい。
喜びと責任を胸にーー。
かっこよく終わろうとしたけど、もぞもぞしちゃうので終われなかった! 8月20日16時からの一戦、坊ちゃんスタジアムにぜひ、観に来てくださいねー!
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